送り火を見る

8月16日は我が地元では特別な日です。死者の霊をあの世へ送り届けるための五山の送り火という行事があります。

私が聞いた話では、一ヶ月前の大きなお祭りで呼び寄せた先祖の霊をお見送りする、という説もあります。

この日は東京からお友達がやってきました。Macとデジカメの伝道師にして自転車乗りで猫大好きライターのあのお方です。

この日だけは夜の作業をなしにして、久しぶりのくつろぎの夜になりました。

そしてこの家の屋上で初めての五山の送り火を観ます。
屋上からは、遠くに大文字、近くに左大文字、そして今まで気づかなかった舟形まで見えました。
素晴らしい。
ただし!目線の目の前に電柱があるんです。これ邪魔!これほんとに邪魔!
どけてくださいっ!
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夜になり、初めての夜の屋上で火が付くのを待ちます。

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メインの大文字。ちょっと遠い上に電柱が邪魔ですが真正面に見えます。

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舟形。下がちょっと切れてるけど、これが見えるとは気づきませんでした。

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近い場所にある左大文字。
撮影:荻窪圭

この日の夜は、引っ越し整理中の雑然とした御所屋敷での最後の宴会、ここはいい場所だなあ、でもちょっと狭かったなあ、でもほんとにいい立地だったなあ、みんなよく来てくれたものなあ、新しいところに越したら誰も来てくれないんじゃないかなあ、なんて惜しみながらだらだらして、そして寝て起きてまた作業再開です。

お客様が来てるというのに「すんません。作業しますねっ」と朝も早よから叩き起こして現場に向かいます。

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こうやって撮られるとまるで楽しそうな姿に見えます。実際は疲労困憊、限界間近の夫婦の姿。
撮っていただいた珍しい外観の写真。もともと付いていた変なテントを取り外すことに成功。

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そして本日は、塗装道具一式を持って3階に向かいます。3階の塗装開始であります。
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2階 洗面所のCF

8月15日夜の部。

夜の部は、夫婦で協力して到着しているクッションフロア(以降CF)を貼りましょう。

2階の洗面とトイレ部分には無難なグレー柄を貼ります。
まず貼るべき方向とサイズを確認してから少し余裕を見てCFをカット。

洗面に潜り込む夫、採寸して「1245」と叫べば「あいよっ」と答える妻、フロアに広げたCFを測ってカットする印を入れます。
いくつかの印を入れたところでまとめてカッターで切り取る夫、妻は怖くてカッターが使えません。

カットしたCFを仮置きして、半分べろりとめくって「糊っ」と叫べば「あいよっ」と答えて糊セットを手渡す妻。

ぎざぎざの付いた糊をのばす専用ヘラで糊を床になすりつけ、それが済むと垂れないうちにヘラと糊を妻に手渡し、しばし沈黙の後、めくったCFを床に戻す。この沈黙時間が割と重要。糊を塗ってすぐ貼りつけてはいけません。被せたCF、今度は素早くローラーでころころ圧着します。

壁との角は、ぎゅっと押さえて45度の角度でカッターを進入させてカット。実はこれが一番難しい。割と失敗したりしますが、巾木で隠すから気にしない。

CF同士の繋ぎ目は、2枚重ねて貼ってから、重なりあいの中ほどで、物差しあててすぐカット、上下のいらない切れ端を、素早く取りさり圧着を。

あとで隙間に専用の、液体ボンドを差し込みます。
おっと、糊が垂れたりはみ出たところは濡れ雑巾で拭き取ります。「ぞうきんっ」「あいよっ」水を張ったバケツと雑巾を受け取り、しっかりと拭き取りましょう。

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クッションフロアが貼れました。

あとはクロス待ち、洗面台とトイレ設置待ち、洗面所の入り口建具待ちです。
もう、ほぼ完璧です。

これはどういうことかというと、2階に関してはほぼ完成ということで、つまりもうそろそろ引っ越し荷物を入れてもいいということです。

最悪の場合3階や1階がぜんぜん出来てなくても、引っ越し荷物を全て2階に運び入れ、そこで寝泊まりすることが可能なのです。「間に合わない」という危惧はもうないのです。
ついにここまで漕ぎ着けました。

ありがとうございます
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2階 塗装完了

8月15日。天井いきます。

天井の色は「ほとんど白」というくらいの微妙な配合の色にしました。わずかに黄味がかった石膏色です。

壁の塗装をしてから時間があまり経っていないので緊張しながら弱粘のマスキングテープを貼り、重ねてビニールマスカーで養生、天井を塗ります。

天井塗りは首と肩に大いなる負担を強いますね。きついです。知らず知らず「うっ」とか「おっ」とか息が漏れます。

なんとか天井塗装が完了。数年でヤニまみれになる予感ですが今は綺麗。

さてそれ以外に、2日がかりで仕上げたのは例の柱のでっぱり部分の特殊塗装です。

この仕上げはアンティコスタッコ(ベネチアンスタッコ)の金ゴテ仕上げに似た、重なりと艶の深みを作る技法で、本来必要な大理石パウダーや骨材を使用せずにオリジナル調合の材料にて施工する特殊塗装仕上げです。

艶はアンティコスタッコほどピカピカに出ません。ヘラでつける模様も、もうちょっとランダムで渋めです。

この仕上げは10年以上前に友人の塗装会社といっしょに開発したもので、大阪のとある立派なホテルのエントランスにも採用されています。

贅沢な仕上げなので、昨今はこういう仕上げを求めるエレガントな設計計画はほとんどなくなりましたね。

写真はわかりにくいですがこんなのです。

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昔ならゴージャスな施設でしか採用しないようないろいろな仕上げが、今では住宅に採用されるようにもなってきています。

施工価格が大きく下がったこと、企業が意匠にお金をかけなくなり、かわりにこだわりのある個人が積極的になってきたことが理由のひとつだと思われます。

本職のほうにも、昨今は企業からの依頼が減った一方、個人からの問い合わせが増えてきました。

政治的な話で恐縮ですが、企業が意匠にお金をかけなくなった原因のひとつとして、不況とは別に、企業への減税が効いているのだと思います。

消費税を財源に企業減税が施行されて20年、トータルで148兆円の法人税が減税されています(その分、消費税歳入は145兆円)

企業の利益にかかる法人税、これが高いときには年度末に予算の消化が行われるのが常でした。儲かった企業が、高い法人税を払うくらいなら設備投資や人件費や外注や改装工事にお金をかけるほうが有益だと判断するからです(もちろん全て経費になります)

法人税が安くなると利益を確保してもさほど取られませんから平気です。人件費や設備投資や外注費や改装工事をケチってケチってケチりまくって利益を確保する方向に舵を切ります。ついでに投資に関する税金も下がりましたから、利益確保と投資ばかりにうつつを抜かすことになります。

企業ではこういう事が起きているんですねえ。

おっとすいません。そんな話はさておき、塗り直した壁、白い天井、こんな感じで仕上がりました。

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壁の養生を剥がすと案の定すこし壁の色が剥げたのでそれを修正し、それから面倒くさいですが全てのコーナーにアイボリー色のコーキングを施していきます。これを入れるだけで、ぐっと締まりますよ。
いよいよ2階のフロア塗装が完成です。やったあ。

褒めてくれる人はひとポチお願いっ

今すぐ床の養生を取りたい気分ですがもうちょっと置いておきましょう。洗面への出入り口の建具や洗面器具などがまだついていませんから、もうしばらく土足で歩きたいところです。

夕方にはまず病院へ義父のお見舞いに行き、そのまま妻を拾って現場に戻るのが日課です。

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西へ2km走れば現場

暑さは相変わらずですが、空の形が少し変わってきています。お盆を堺に、秋への予感を感じさせる空がやってきます。

これから夜の部の作業に向かいます。応援ありがとうございますっ
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CF到着、引っ越し計画、壁・・・

翌14日、夜遅くまでかかって仕上げた壁の塗装を腕を組みじっと見つめる私。

1階で物音。あ。誰か来た。注文していたクッションフロアが到着しました。

クッションフロアは非常に安価で、予算も時間もないこういう現場には重宝します。暫定的でもいい、っていう割り切りが柄選びにも功を奏し、あまり悩まずに注文を済ませていたんです。
よしクッションフロアOK。

2階の現場に戻り、腕組みして壁の塗装をじっと見つめる私。
そういえば引っ越し計画について書いていませんでした。

引っ越しも基本的に自分たちだけでやるつもりです。でも大物だけ業者に頼みたい。で、一括見積もりサイトを使って引っ越し屋さんを探します。こんなの初体験。

オンライン見積もりをすると、その翌日からメールがたくさん来ます。それどころか、電話もじゃんじゃん鳴ります。もう営業の人、必死です。「今から行っていいですか」「明日伺います」営業って大変な仕事ですね。

安くて対応の早い業者を2、3ピックアップして、あとは営業マンの人となりで決めよう、と偉そうなことを考えながら、ふと古い付き合いの心の友ジョナが引っ越ししたときの言葉を思い出します。「あのな、引っ越し屋はパンダがええで」
パンダに決定いたしました。

2階の現場に戻り、腕組みしながら考えます。
引っ越し屋パンダに運んでもらう大物ってどれよ。
えっと。冷蔵庫。テレビ←ブラウン管の重いやつ。洗濯機。エアコンはどうしようかなあ・・・

あとは作業机がふたつ、コピー機、大きいパネルたくさん・・・仕事のものばかりだな・・・

小さいトラック1台の契約ですが、この程度ならスペースがあまりそうです。当日、少しならついでの追加がOKということなのであとは臨機応変にいきましょう。

2階の現場で腕組みをしながら壁の塗装をじっと見つめる私。
しかし本ってのは重いですよねえ。すでに段ボール箱に詰めていたんですが、途中で気づいて小さな段ボールに移し替えました。いらない文庫本は棄ててしまおうと、棄て用の箱に分けます。1年後に気づいたんですが、棄て用じゃない箱を間違っていくつか棄ててしまったようです。文庫とはいえ、貴重な本がどっさり消えてなくなりました。がーん。

と、いつまでも引っ張ってないで腕組みをほどき、やにわに動き出す私。

壁の色を変えます。

ちょっと派手すぎました。夜に調色したのが悪かった。
新しい一斗缶を開け、慎重に調色します。赤みが入りすぎないように、黒と黄土を加えて交ぜます。

今度はいい色ができた。同じベネチア風でも、今度のは黄味が程よく効いた落ち着いた色です。これはいい。これは素晴らしい。
さっそく塗り直します。作業は夕べと同じです。ちゃんと二度塗りして、今度は大いに満足しています。

2階の壁塗装

8月13日、いよいよお盆が近づいています。もう、現住所である御所屋敷の明け渡しまで半月余り、これからは壁や床を仕上げて、引っ越し荷物を何とか運べるようにしていきます。最後の詰めでございます。

2階の壁、どんな色にしようかと会議をしまくったあげく、絶妙な彩度を伴ったグレイ混じりの赤黄色ということになりました。ヤニがついたイタリアンスタッコの色というかベネチアのレストラン色というか、通常のアイボリーの壁色よりも暗くて彩度の高い色ですね。と言っても、別段変わった色じゃありませんが。

本当なら、DIC日塗工やメーカー色見本などを見て、番号で色を決めたほうが後々の補修などに便利なのですが、もうこの際そんなことを言ってる場合でもないので、手持ちの塗料を使って調色します。

下地が完了した2階、いよいよ塗装開始です。

まず入り隅(コーナーの内側)などローラーが入らないところを刷毛で塗ります。この作業を「ダメ」といいます。
「ダメ回っといて」と言えば、入り隅なんかを刷毛で塗って回る命令のことです。

ダメた後には、おもむろにローラーで塗装開始。
ローラーは、細身の短毛を使いました。ローラー目を余り出したくなかったからです。

毛の長いローラーを使うと、独特のローラー目が出ます。
下地の作業に比べれば、ローラーでの塗装はただ塗るだけですから簡単です。

ほんとは「ただ塗るだけ」じゃなくて、それなりに難しいものですが、私の場合はこれは本職に近い作業なので慣れています。

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まず入り隅を塗っています。

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ローラーいってます。

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ころころやってます。

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がんがん塗ってます。

壁周りが塗り上がりました。
と言っても一度目の塗りですから、乾いてから明日、もう一度工程を繰り返します。

この日妻は「入り隅」と「ダメ」という言葉を覚え、「ダメ周り」という作業のスキルを獲得しました。

夜の部からは、ひとりがダメを周り、ひとりがローラーを転がします。何という作業効率。
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一区切り、大量の廃材運び

8月12日は休日だったようで、朝早くから引っ越し荷物の整理をメインに、遅めに出勤して2階のパテだらけのフロアをサンドペーパーですりすりします。

下地のペーパーは180番、仕上げのは400番です。
夫婦で粉だらけです。もうもうと立ちこめます。あとは塗るだけの状態になりました。

さてこの日は妻の弟のヤンボーマーボー君がお手伝いに来てくれます。

大工仕事が一区切り付いたころ、3階は工事の残骸だらけです。
不定形の石膏ボード、不定形のコンパネ、パーチクルボードの余り、木材の残り、そういった大物がごろごろしており、小さな破片や端材を詰め込むガラ袋(麻のゴミ袋)は見る見る増えていってます。

妻は塗装作業中の私を激写していただけじゃなく、こういう掃除を日々やっていたわけです。

で、大物の廃材やガラ袋の束を1階に集める肉体労働をヤンボーマーボー君が手伝ってくれて、サウナのような建物の1階~屋上を何度も往復します。

全員汗ミドロ状態。おかげで、ほぼ全ての廃材が1階に集まりました。ありがとうヤンボーマーボー君っ。

肉体労働の後の空を満喫するのは労働者の喜び。

屋上へ出ると、すーっと風が吹いています。屋上だけが頼りです。

前半は粉だらけ、後半は汗ミドロで写真どころではないのですが、こうして一区切りが付いた時刻には空を撮りまくっています。

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しつこく空の写真すいません。
これです。この空に惹かれてこの建物を買ったのも同然なのです。屋上だけが購入動機だったといっても過言じゃありません。

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重労働を経て、一服する我が妻。この一服が命をつなぎ止め、明日への活力を生み、心を穏やかにして疲労を蹴散らします。

大工仕事が終わり、職人は誰もいなくなり、造作は完了し、塗装を進める準備が整い、大きな区切り感に満ちているこの日の充実感は格別です。

よくここまで頑張った。もう先は見えた。

これまでの記事の中で出てきた造作完了写真も、実はこの日、大きな掃除が終わってから撮ったものが含まれています。

こんな感じで、各部屋から工事廃材が消え、工事を終えた感慨と共に写真に収めています。
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3階、洗濯機と小さな洗面を置く予定地。もうあとは壁を塗って床材を貼って置くだけです。

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3階、映画部屋。ここに大量の廃材を詰め込んでいたのですが本日これこのとおりの美しいお姿を見せました。

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3階、寝室。実はこんなに綺麗になったのはこの日なんですよね。床を養生して、塗装の準備です。

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3階、押し入れ予定地。ここも廃材置き場でしたが、ついにゴミ撤去。

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研磨の粉がようやく落ち着いてきた2階の状態。多すぎる仕上げパテ。でもあとは塗るだけ。
どんな色にするか、実は侃々諤々やり合っています。色は悩ましいですねえ。

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総パテを施した箇所は石膏ボードではなくコンパネを貼った部分。もしかしたらエアコンが付いたり、吊り戸棚をつけたりするかもしれないのでその保険。ヤニ止めシーラーを塗ってから総パテ。木目も消します。

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お向かいはお寺さんです。それも購入動機のひとつです。一年中ここの松の木を眺めることが出来ます。
かなりの「区切り」っぽい本日です。
あとは塗装と床を大急ぎで済ませて、引っ越しをしなくてはなりません。
ここまでお付き合いしてくれてありがとうございます。もうあと少しです。
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記事を書いている本日2009年8月30日は衆議院選挙の投票日です。

さきほど投票をしてきました。
国民審査では、司法試験に合格していないのに最高裁判事に天下った小泉内閣協力者でイラク戦争への荷担を一途に推し進めた竹内行夫に×をつけました。

洗面所の造作仕上げ

今日もご来訪、ありがとうございます。
まだ8月11日の記事で、大変恐縮です。

「さっさと先に進めやゴルァ」と叱られそうですが、堪忍してください。

バスルームは、洗面所を挟んで東側がユニットバス、西側がトイレというオーソドックスな設計です。

ユニットバスの東端には大きな窓があり、日の光が入ってきます。その光を洗面所にも届かせるため、お風呂と洗面所を仕切る壁に大きな半透明の窓を作りました。

この半透明の窓はユニットバスの追加オプションです。ユニットバスを買うときに、標準装備のものさえ外しまくって安く上げたんですが、ここだけは追加しました。追加して大正解。

大正解はいいんですが、またチョンボがひとつ。洗面所に照明を入れるのを忘れてました。設計図に入れ忘れていたんですねえ。
でも洗面の鏡セットに照明が付くので、それで我慢出来なくもないだろう、ということで放置。

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トイレも到着しています。モルヒネ水道さんに取り付けてもらいましょう。

洗面所とトイレを隔てる壁も大体完了していて、建具も付いています。ボードを貼る部分がちょっとだけ残っていますがこんなのはすぐできます。

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トイレは狭いです。今風デザインからはほど遠い、昔ながらの狭いトイレです。窓もありません。マンガを積んでおくスペースもありません。

トイレは広くて明るいのがいいと思いますが、ここは諦めるべき箇所でした
その分、部屋を広く取りたかったから、どちらを取るかで部屋の広さと取ったということです。

それにこの建物、1階にも2階にも3階にもトイレがあるという全フロアトイレ館ですから、ここくらいは狭くて暗くても良しとしましょう。
という感じで洗面ショーでした。

で、この狭いところにも、一所懸命パテを盛りつけております。
仕上げパテはやっていません。ここは、旧友タケマル(仮名)にクロスを貼ってもらう話が付いています。
もうパテをしごくのが辛すぎて、ヘルプを求めたんですねえ。

2F 下手糞パテの夜間作業

ここのところ8月11日の話ばかりですが、ようやく11日も日が暮れて夜になってきた模様。

夜には妻と落ち合って、段ボールを敷いて弁当を食べ、ポカリを飲んで煙草を吸ってそれからパテの続きです。

前回までは下地パテ→ジョイントテープ→下地パテ、と、研磨を挟みながらやってきてそろそろ仕上げパテに取りかかり始めます。

仕上げパテは粒子が細かくてより平滑な面を作ります。その分、穴埋めなどには向いていません。

クロスを貼るための下地には仕上げパテは不用ですが塗装には必要です。

下地パテがあまりにも下手糞で、広げて塗りすぎたために仕上げパテをそれ以上広げなくてはなりません。

なんか調子がおかしい。こんなに手間をかけている場合ではないのです。ないのです、と言っても手間がかかるものは仕方がない。だんだん追い込まれてますよ。このままでは、図らずも「総パテ」状態ですよ。まあ、グレードは上がるからいいんですけど・・・

そんな追い詰められている夫を、妻は激写し続けます。激写って死語ですか。年がバレますか。

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下地パテは仕上げパテで覆い尽くさなくてはなりません。下地パテの上には塗料が上手く乗らないからです。下地パテを広げすぎたが故、仕上げパテはさらに広がります。

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夜が更けてきてもまだ作業中。

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さらに作業中。

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小細工を施した柱部分。ここ

コンパネを用いての細工だったので全面にパテを入れています。コーナーもあるし、多すぎるパテもここではOK。

この柱部分は、塗装においてもちょっとした工夫をするつもりなので、ここは全部をパテで埋めてもいいくらいなんです。

ちょっとした工夫とは何か、それはアンティコスタックという仕上げにちょっと似ているイタリア風味の仕上げなんですが、工程や仕上げが判りやすい写真が出てくるかどうかちょっと未確認。

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こうして、広げすぎて収拾が付かなくなりかけている仕上げパテを何とかやり尽くしました。広げすぎたのはグレードを上げるためだとか何とか、言い訳とも自慢とも負け惜しみともつかぬ独り言を呟きつつ夜遅くに退散です。

今日も読んでくれてありがとうございます。

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1F 入り口廻りの造作

大工のまっすんが最後の仕事として一人こつこつやってくれていたのが、1階入り口の元出窓と水槽があった表通り側。(1Fのさらなる解体

開口の周辺に扉用の太い柱を仕込み、壁を作って整えてくれています。
この場所もこれまで少しずつ隙を見つけてやっていた箇所です。

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しかしいい加減そろそろ建具をなんとかしなければいけません。まだ開口にブルーシートを垂らしただけの状態です。
もうなにしろ8月11日ですから、今から発注しても製作に2週間かかるとして、その後取り付けて・・・うわ、もうその頃は引っ越しが完了していなければならない時期ではありませんか。やばー。

急いで折り戸を作ってもらおうと、建具屋さんを探しますがどうも手応えが良くない。

Webで見つけた6kmほど先のY区にある建具屋に電話して来てもらったところ、こんな開口に折り戸は変だ、出入り口なのに折り戸は駄目だ、設計の幅もなっていない、作るのに時間がかかる、作るのに予算がかかる、などとグダグダうじうじ言われたあげく「遠いところから来たんだから交通費よこせ」と言うので「阿呆かどこが遠いねん。もうええから帰れ」と缶コーヒーだけ渡して追い返したりします。

随分前の話ですが、仕事の関係で建具屋を探していた時も、数寄屋系のベテラン建具職人にもの凄く苛められた経験があります。トラウマになっています。
(その後は素晴らしい職人の鏡のような建具屋と知り合って助けていただいたので、建具屋すべてに偏見を持ってるわけではありません。念のため)

そんなわけでまだ折り戸発注は保留中。あぁ、あの時助けてくれたあの素晴らしい職人の鏡のような建具屋さんが生きていたらなあ、とか、まっすんの親父が現役でいつでもやってくれるような人だったらなあ・・・と思わずにはおれません。

古い友人の内装屋で本性ロッカーのタケマル(仮称)に、ちょっとクロスのことでヘルプを頼もうと思っていまして、話のついでに良い建具屋いないかと聞いてみたところ、いるので紹介してあげようとのこと。おっ。こういう人脈こそ期待できそうですよ。
タケマルも紹介される建具屋も、隣の県の2、30kmの距離からわざわざ来てくれます。
わずか数kmの市内から来て「遠いから」と文句を言うどこぞの怠け者と大違いです。

折り戸はこんな感じの「4枚折り戸+開き戸」で設計は完了しています。
(左が1階。図面の下側が折り戸をつける部分)
図面
本当は前面全て開口にして全部を折り戸にしたかったんですが、2/3の位置に鉄骨の柱があったのでそれを避ける形になってます。

1階の電気工事

8月11日。

2階のパテしごきをやっていると、N川電気さんが現れ、1階の電気工事を始めました。

1階の天井や鉄骨の塗装がようやく完了した直後で、ちょうどいいタイミングです。

配線、コンセントやスイッチの取り付け、そして買っておいた蛍光灯の設置など、今まで放置していた1階の電気工事を仕上げてくれます。

裸の天井にどうやって蛍光灯を取り付けるのか、興味津々見守ります。

まず登場したのはスチールの細長い柱のような部材です。Cチャンと同じ形状で、太い配線を何本も仕込めるようになっています。ジョイントするための金具もあって、両端に差し込んで柱同士を繋げることが出来ます。

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ジョイントしながらCチャンに似たスチールの柱を端から端までどーんと1本通し、鉄骨に噛ませる器具で天井から吊り、配線を仕込みながら器具を取り付けていきます。

これ、いいですね。これ何ですか。
「こういう部材があるんですわ」とN川さんは自慢げです。「配線が仕込めるから便利でっせ」
この作業を見ていて始めて知った配線できる野縁のようなこの部材。
本当に便利そうです。軽天に似ていますが扱いは楽そう。これを利用したら他にもいろいろ面白いことが出来るかもしれない。わくわくします。

後で脚立に乗り、なめ回すように観察した結果、これはネグロスというメーカーの電材みたいですね。ネグロス、ネグロス、聞いたことがあるなあ。そういえば、国道沿いにこの会社があったような。この会社ですね。ネグロス

軽天に似た柱そのものより、これを吊すための部材に私は強く引かれました。
例えばこんなの。吊りボルト支持金具

鉄骨にガチっとカマすんですね。色んなサイズや形があるようです。
そういえば、水道屋さんも配管を吊るときに同じようなものを使っていました。
ははあ。これを使えば、天井に穴を開けてアンカーボルトを通すより遙かに楽にいろいろと吊れそうです。
(と、何やらよからぬことを考えています)

というわけで蛍光灯を取り付けてくれました。
蛍光灯を取り付けただけじゃなく、スイッチや電源、配電盤などもすべて設置、電気工事がこれにてほとんど完了したようです。

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まだ少し見苦しい1階の様子。蛍光灯つきました。

この前日までに頑張って塗った天井の塗装にも注目。もともとの汚い造作をそのままに塗装だけ済ませております。

塗装時に気がかりと書いた(階段室と1階 鉄部 仕上げ塗装)天井ALCの汚れも上の写真で確認できますか?

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家改装100_1223

2階 塗装下地の続き

こちらは2階の塗装工程の続きです。

途中で床のコルクを貼ったり鉄骨の塗装をしたりしていましたが、いよいよ本気で再開します。

下地パテを軽く研磨したあと、寒冷紗(ジョイントテープ)を貼ってその上にまた下地パテをしごく作業です。
ボードの継ぎ目にはジョイントテープを貼らないと、完成後ひび割れします。

クロスの場合には不用ですが、塗装で仕上げるのであれば必須工程ですよ。

上等の塗装仕上げを目指すなら、シルクの寒冷紗を使います。厚みがほとんどなく、伸縮にも強いです。ただしちょっと施工が難しいですね。すぐに捩れたりします。

ちなみに壁画を描くときは全面寒冷紗+全面パテという凝った下地を作りますが、近年はそれを守らずに手早く安く下地を済ますことのほうが多くなりました。良い下地を作れば20年以上軽く持ちますが、手抜き下地だと数年で細かいクラックが入ってきたりします。しかし不況20年、この時代にそこまで・・・・・・・・・・・ええっと、話がそれましてすいません。

とりあえず作業再開ってことでこんな感じで進んでいます。

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ボードの継ぎ目には寒冷紗、出隅(でずみ:出っぱりの角)にはコーナービート(コーナーを保護するための金物または樹脂もの)を仕込んで、それをまたパテでならしていきます。ここがちょっと難しいです。私下手糞です。見知っていて知識があって指示は出来ても、自分でやってきたわけじゃありませんから腕のなさが露呈します。

パテを的確に盛ることが出来ず、多すぎて研磨の手間を増やしたり、少なすぎて段差が出来たりしています。
思ったより面倒くさいことを実感して辛い作業となっております。

あ。そろそろ電気屋が1階の工事をしに来る予感。

 

階段室と1階 鉄部 仕上げ塗装

カテゴリは鉄骨塗装になりますので、カテゴリ順で読んでおられる方には時間が少し飛んで8月10日くらいの作業になります。

15.造作工事 -造作仕上げ16.内装仕上げ-塗装などの、ちょうど間くらいでしょうか、時系列的には。

このころ、もう大工のまっすんも職人も誰もいないし、上塗りのペンキを豪快に吹き付けても大丈夫。チャンスです。チャンスというか、もうやらねばならぬ時期です。

階段室

階段室の錆止めが終わっている鉄骨部分を仕上げて回ります。色は適当にグレイなベージュを練りました。
天井や入り組んだところは吹きつけで、柱のまっすぐのところはローラーにて塗装。

壁は塗り直すなり何なりするつもりですから、ペンキがはみ出てもぜんぜんOK。養生もせずに塗ります。
今までも、隙を見つけては少しずつ塗っていたんですが、この日あたりに一段落ついたようです。

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なかなか綺麗に塗れました。
天井は作らないの?と問われそうですが、はい。作りません。鉄骨のままのつもりです。天井裏なんかを作るからネズ公やゴッキーが這い回るのです←そうか?

1階

資材のストックも減ってきて、なんとか動き回れるようになった1階の天井もやります。
脚立を移動させながら、錆封じまたは錆止めを吹き付けて回り、ついでに上塗りの塗装まで完了。

1階の天井や鉄骨は急いだほうがいいのです。電気屋のN川電気さんがそろそろ作業に来ますから。

1階の鉄骨を塗っていてもの凄く気になったことがあります。それは、天井面のALCの汚れです。
そう、1階の天井はデッキ(鉄板を折り曲げたような、階段室の天井にあるような鉄板)がなくて、ALCを敷き詰めてあるだけです。
このALCが何となく薄汚れていて汚いんですよね。
少しは吹きつけで誤魔化しましたが、何となく「後ほどの課題」として重くのしかかります。

そう、そうなんです。1階にも天井を作る予定がないのです。工場みたいに、鉄骨むきだし、配管出たまま、荒っぽい仕上げです。
通常、天井を作らずに配管や天井鉄骨が見えたままの仕上がりにするときは、「見えてもいいような綺麗な配管」を施すのが常です。

ショップや飲食店で天井むき出しのデザインをよく見かけますが、実はあれは配線や配管をきれいに並べてかっこよくしてるんですよね。天井を造作するよりコストがかかってたりするものなんです。

でもそういうことも考えている余裕がなかったので、我が家の場合は単に天井がないだけの仕上がりになるわけです。そんなのでいいんでしょうか?

課題として残しておきます。

1階の鉄骨の塗装写真は、今回の記事の時系列的な続き、1階の電気工事で確認できます。

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ヘルプ大工の床仕上げ

8月も10日まで進みました。

よし急いでフローリングを買いに行こう、とトラックを借りていつものホームセンターMへGoです。
「MへGo!」と張り切って出たものの、何やら大渋滞。お盆渋滞?事故?

どうやら高速道路料金所付近で事故らしく、高速が通行止め。そのせいでみんなが国道に流れています。少し先にあるいつも空いているほうのもう一つの別の高速道路近辺も大渋滞、え?別の事故?高速道路通行止め。なんてこと。二つの高速道路で同じような時間に通行止めされるほどの事故が発生とは。
しかも今日に限って乗り心地の悪いエアコンの効きが悪いiPodもかけられない借り物のトラックですよ。
Mへの往復に、6時間かかりました。

・・・ドライバーの皆さん、お願いだから事故はやめてください。

フローリングは、この日に限って濃い茶色の在庫処分が捨て値で売っていたので躊躇なく購入。ホームセンターMとの相性抜群です。

買い物の目的はもう一つ、1階用の蛍光灯器具です。これも購入。1Fはアトリエなので蛍光灯も必要なのです。

さて、かつての設計士兼現場監督、今は施主兼塗装業者の私ですが、塗装だけでもきついのに、大工仕事がまだ残っています。とても手が回りません。

まっすんは休日に来て、やり残しの分をやってくれますが、それ以外にもまだもう少し大工の手が欲しいところです。というかヘルプ必要。ヘルプミー。エニバディヒアー

幸い、左官屋さんの身内に、日当で来てくれるという気さくな大工さんがいたので迷わずヘルプを頼みました。

11日と12日の二日間も来てくれることになり、ありがたいことです。普通なら、こんな頼まれ方は断りますよ。

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手慣れたヘルプ大工さんはちょいちょいとサッシを取り付けてくれ、このあとは壁ボードとの繋がりとか、面倒くさい仕舞いまでちゃんとやってくれました。

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すっかり忘れていた1階の階段室横の切り取った壁。解体の時に適当に切って開けたところです。

切り口が危ないので何となく木で囲ってくれました。ここは後でカッコ良く仕上げればいいだけです。
(ご想像の通り、そういいながら2年後もこの写真のような状態のまま放置されておりますが)

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そして時間が余ったので2階のコルクもついでに貼っていってくれました。ひゃっほー。これは大助かり。面倒くさいんですよねえ。床貼るの。でも残念ながら途中までで時間切れ。残りは私が貼ることになりました。貼っていくのは楽ですが、最後の、壁に当たる仕舞い部分がちょっとややこしいんです。

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そして2階の床をシートで養生、ブルーシートも置いておきます。
ヘルプ大工さんの見事な働きぶりはまだあります。
コルクの前に、3階のフローリングもやってくれました。
ひゃっほーひゃっほー。

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さっそく綺麗に養生して完了です。

養生するのもひとりではもたもたしますが、夫婦力を合わせて頑張りました。(「私も頑張ったのにちゃんと書け」と言われたので書きました)
これで、私は塗装に専念することが出来る状況となりました。

ヘルプ大工に感謝
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2F 塗装開始

さて3階の建具が取り付けられた8月5日、いよいよ2階の塗装開始です。

2階は、バスルームの建具周りだけを残してもうほぼ造作工事は完了していますから、仕上げをやるのに躊躇はありません。
内装仕上げである壁と天井は計画当初からすべて塗装と決まっています。

まっすんの拘束期限が過ぎた今、現場は職人の活気に満ちた世界ではなくなっています。もう頼れるものは誰もいない。

さっそうとパテを取り出し作業に勤しみます。
過労と心労ですでにくたばりかけている妻は、今後は毎日出動して仕上げ工事の補助要因として働くことになります。もうほとんど自分苛めの旅です。

夜に落ち合い、段ボールを敷いてその上で弁当を食べてポカリを飲んでタバコを吸ってから作業再開。さっそく私の勇姿をカメラに収めます(笑)

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ええと。

塗装のまず最初の工程は下地パテからです。
ボードの継ぎ目、ネジ頭のめり込んだへこみに荒いパテをぶりぶり埋めこんでいきます。
ちなみに塗装工程の全手順はこうなります。

1.大きなへこみに下地パテ
2.軽く研磨
3.継ぎ目に寒冷紗を貼る
4.寒冷紗の上に下地パテ
5.軽く研磨
6.仕上げ用パテ(必要に応じて複数回)
7.研磨
8.塗装1回目
9.塗装2回目

今日は1の下地パテです。
少しだけ作業を進め始めたこの時点で、ひとつのことに気づきました。

「この作業を建物全部ひとりでやるのはとても大変だ」
今頃なにを言ってるのでしょう。

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まだ1回目の下地パテに過ぎないのに、もう厭になってきています。根性がありません。

足下の近くに無造作に置いてあるのは、いただき物の洗面化粧台です。もう少ししたら取り付ける予定。

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今日の成果はこんな感じです。
夜も遅いので後片づけをして家路につきます。

今日も読んでくれてありがとうございます。完成間近です。。か?
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3F 各部屋の床を考える

2階のコルクは奇跡的に上手く手に入りましたが、3階はイメージも希望も特にないのでずるずると何も決まらないまま床を残して完成しつつあります。

そろそろ本気で床を決めましょう。

3階は、廊下と映画部屋と寝室です。予算はもうない。さてどうしましょう。
こうしましょう。

寝室以外は全部クッションフロアにしましょう。サンプルを取り寄せて検討。いろんな柄があって楽しくも悩ましいのですが何となく決定。廊下はコルクの柄、映画部屋は黒いまだらの柄です。
じゃ、それに決定して安いところで注文しておきましょう。引っ越し直前までに貼れればいいや。

寝室はフローリングにしようというところまで何とか決めて、まず無垢材か普及品かという選択です。
さっそく作戦会議です。

「杉の無垢材とか、ええらしいな」
「ええらしいな」
「適度に柔らかくて、裸足で気持ちいいし、お勧めやて」
「ええ感じやな」
「年月で自然な焼けが出てきて、味わいもあるで」
「自然派って感じやな」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「それはそれで厭やな」
「厭やな。そんなタイプとちゃうな、わたしら」
「無垢って、手入れしなあかんからな」
「汚れとか?」
「磨いたり削ったりして長年持たすんや」
「面倒くさいな」
「面倒くさいな。ほんなら、ホームセンターの安いのにしとこか」
「そうしとこか」
「Mに安いの売ってたな、そういや」
「安かったな」
「どんな色がええやろ」
「なんでもええわ」
「安っぽい薄黄土みたいな、あれでもええんか」
「あれはいややな」
「ほな茶色か」
「茶色もなあ、もひとつやなあ。濃い色でええんちゃう」
「そやな。ほんなら、次M行ったとき、濃い色が安かったらそれに決定しよか」
「そうしよそうしよ」
会議終了。

そういえば階段室の床も、クッションフロアを剥がしたまま放置しています。裏地と糊の跡が激しく残っています。
これを削り取るには、多分100人工くらい必要です。
なんとか、糊の跡を放置したまま上手く収める方法はないでしょうか。

薄いコンパネを貼る?
床パテで不陸の調整する?
どれも大変そうです。
さっそく作戦会議をして、我々の出した結論は「しばらくこのまま放置。土足でいく」でした。


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バルコニーに出るサッシ

そろそろ大工のまっすんが拘束期限切れです。彼は次の大きな現場を控えています。

まだ少し、部分的にやり残した仕事がありますが、それは休日を利用して来てくれるそうです。

考えてみれば、最初はただのヘルプの筈だったのに、これほどの責任ある工事をさせられることになって大変だったなあと思います。まっすんにはほんとに感謝です。

そういうわけで大体の造作工事が仕上がったわけですが、まだやり残しているいくつかの未決案件がありますのでそれを進めましょう。

解体の時に、2階バルコニー側のサッシを壊して棄てたので、これを何とかせねばなりません。

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ネットで調べようにも、いつかのキッチンみたいに猛勉強している暇もないし、誰かに相談したいところです。大工のまっすんに聞いても「サッシ屋は知り合いにはおらんなあ」と期待に反する返事。彼は大工ですが、ゼネコン現場や店舗が主体なので住宅関係に弱いんですね。私もそうです。

そんな中、意外なところで「サッシ」の文字を発見。材木屋イコンさんです。

なんと、サッシの看板も上げているではありませんか。さっそくイコンさんに相談です。

「じゃ、見に行ってあげよう」と現場に来てくれて何やら寸法を測って、丁度良いと思われるサイズでメーカーに発注してくれました。

今のサッシ枠を殺し、その内側にすっぽり入る寸法を決めてくれたんですね。いわゆる「カバー工法」に近い考えに基づいた寸法のようです。

ありがたや。ベランダ用の簡単なサッシで、値段も安いです。
材木屋イコンさんについでに「サッシを取り付けてくれる人紹介してもらえません?」と聞いたところ、それは不可でした。「大工さんにつけてもらいなはれ」

そりゃそうですね。材料屋さんが、別人に卸した商品のヘルプを顧客に頼めるわけがありません。それは筋が通らない話です。
サッシはこちらの手でつけることにいたしましょう。まっすんはもういませんが。

自分でやるか、もしかしたら誰かちょっとだけ手伝ってくれる大工いないかなあなんて思ったりしています。

材木屋イコンさんには、ついでにずっと気になっている玄関サッシも見積もってもらいましたが、玄関サッシは「もうちょっと見栄えのいいものをゆっくり探そう、緊急じゃないんだから」と、とりあえず古いまま放置することにしました。

「それこそ緊急やろ」というツッコミが入りそうですが、事実その通りですが、なぜか玄関は後回し。

実は・・・・2年経ってもまだ玄関引き戸は古いままでございます。

これは、玄関サッシのカタログを取り寄せたり、いろいろ調べているうちにキッチン選びと同じような罠にハマってしまい、予算と希望グレードが乖離してきまして、まあ、泥沼化しているというかなんというか。

それはそれとして、とりあえず2階のバルコニーサッシは注文できました。

一つ解決。

 

3F ドアの取り付け

着々と3階も進行する中、8月3日、義父の手術の日がやってきました。

さすがにこの日は現場作業もそこそこに病院に駆けつけたりします。
気を揉む中、数時間の手術が行われました。

手術後、もうこんな事は沢山だこんな痛くて辛いことは二度といやだと体力的にも精神的にも相当なダメージがあった直後にも関わらず、容態が芳しくなく、夜中に同じ箇所を再手術することになり、家族の全員がのけぞります。「また切るんですか」
思わず心の中で天を仰ぎます。「神様仏様観音様お稲荷様その他誰でも」と、節操のないお祈りを捧げまくります。

このときのご家族の心中は察するに余りある状態でしょう。後で聞くところによると、相当緊迫した状況だったらしいのです。

翌日8月4日は仕事になりません。でもしなければなりません。

現場に出向いて掃除、ゴミ、ガラ集めを一通りやってから、ホームセンターMで注文していたコルクタイルの受け取り、戻ってきて内装のこちゃこちゃした作業をやり、もう一度病院へ見舞い。

二度目の手術は上手くいったようで一安心です。でもまだしばらく様子をみないといけないらしい。退院まではまだまだです。
もう一度現場に戻り、こちゃこちゃした作業(なにをやってたかもう忘れてます)

顛末を書いておきますと、二度目の手術後の経過には問題がなく、結果的に手術は成功でした。
再発の恐れがあるため検査は継続しなければなりませんが、無事でなによりです。

さらにその後ですが、これを書いている2009年夏、検査をしても再発の傾向は全く見られないとのことです。
「生きる」の志村喬が今いたら、きっと沢山の仕事を成し遂げられたことでしょう。

この記事が2年前を振り返っている記事だと知りながらも心配してくださった読者の方がおられるかもしれません。「漂流教室」じゃありませんが、きっとその気持ちが時空を越えて伝わり、手術の成功に一役買ったことでありましょう。この場でお礼を申し上げます。

さてさて、改装工事は大詰めに近づいております。

8月5日、この日は大工のまっすんがベテランの建具職人(実は父親)を引き連れて3階の建具を取り付けたりしてくれています。

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3階出窓のある部屋の建具。おお。出入り口ができました。

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クローゼットの折り戸。ついたついた。できたできた。

クローゼットの折り戸もホームセンターMで買った怪しい激安ドアですが、実は私は迂闊でした。これ、立派な6枚折り戸に見えますがフルオープンしないんです。2/3あたりの位置に固定の支点がひとつあり、全開しない。・・・全開しない折り戸があるなどと、想像したこともなかったのでございます。
でも買ってしまったものは仕方がない。

ただ、2/3の位置には、鉄骨の柱があって、ちょうどその位置に上手く納まったので良しとします。

折り戸はつきましたが、クローゼットの中はすっからかんです。中身は造作せず、引っ越したあとで適当に作ります。
ほんとは適当じゃないんですが。クローゼットの中の話はいずれ。。。

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映画部屋のドアも取り付けられました。

もうすでに「部屋」って感じです。窓があったところは、余ったコンパネやボードを重ねて押し込み、蓋をしてしまいました。
なんていい加減な防音処理。

ここで映画を観るんだから、防音についてはもっと本気を出すべきでした。

幅が狭いので1cmでも部屋を広く取りたかったんですが、どうせ部屋の真ん中に柱の出っ張りがあるんだから数センチ我慢してでも防音の真似事をしたほうが効果があったと、冷静になればそう思います。

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こちらは映画部屋の向かいのトイレの出入り口。おお。出入り口できました。トイレは出来ていないけど。
ちなみに、2009年現在もトイレは出来ていません。ずっとトイレ予定地のままです。。

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押し入れのふすま枠。こういう枠もホームセンターで売ってるんですねえ。

中身はいずれ考えます。襖みたいなのでも良いし、板みたいなのでもいいし、ま、緊急じゃないのでいつか何らかの引き戸を作ればいいですよね。
(と、言いながら2年後の2009年現在、ここには未だに引き戸はついておりません。開放的な押し入れのままです・・・)

今回もご来訪、感謝します。お疲れ様でした。
応援ありがとうございます。

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3F ボード貼りと小細工

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その頃3階では軽天下地にボード貼り、それに細部の小細工などが進行中。

Bの部屋

ボード作業中

広々とした出窓のあるBの部屋をボードカットの場所として確保。
床は下地コンパネの上にさらにパーチクルボードを敷き詰めてあります。
その上の仕上げ材は未だ検討中。
ここはフローリングが濃厚です。
杉の無垢材にしてみようか、普及品の普通のでいいか、色は濃いほうがいいかな、などと暢気に考えてます。

三階間仕切り工事

この部屋は太いL字型。間仕切りのボードが貼られ、部屋らしくなってまいりました。
建具の取り付けを待つばかり。

出窓部分

出窓部分。慎重に採寸して、集積材でカウンターを作ります。

三階造作

窓サッシの枠はすべてコンパネを差し込んで壁とツラになってます。

後のことを考えればもっと太い木でしっかりと枠を作るべきだったかもしれません。
窓サッシが古く、防音や密閉度合いに難があったんです。はい、全ての窓サッシでです。
太い枠を付けていれば、簡易の二重窓が簡単に作れたのになあ、と。

この家は全体に窓の数が多すぎて、窓メンテは2009年現在においても手が出せていません。

Aの部屋

Aの部屋は映画部屋。
鉄骨の柱と水道管を覆う小細工。柱が少しせり出て、一部床が上がり、少しだけみっともないけど仕方がありません。
この部屋は納戸と書庫と映画部屋を兼ね備えた部屋にするつもりなので、床の素材はクッションフロアで済ます予定。

排水周り

Aの部屋の右側が洗濯場です。変なところに洗濯場を作るなあとお思いですか?はい。洗濯物は屋上またはBの部屋で干す予定なので、屋上になるべく近いこの場所になりました。

洗濯機予定地

洗濯機を置くスペース。床を上げ、下地のパーチクルボードを置いていきます。

洗濯機予定地
このようになりました。

壁のニッチ
こういうのを「ニッチ」っていうんですか?

下地材の隙間を利用した壁のへこみです。
このへこみは何に使いましょう。ちょっと狭いですけど。

2F 洗面付近と柱部分の小細工

その頃の2階の様子。

まだバス・洗面付近の造作が残っています。

洗面所下地

2Fの床は配管を這わせているので床上げしていますが、洗面部分はユニットバスに合わせてさらに段差がついて一段高くなっています。
普通ならバスの部分を掘り下げて、床面を揃えようとするところですが、今回の計画ではユニットバスは床にただ置くだけです。だから必然的に一段高くなってしまうのです。
今時のバリアフリーの思想からすれば「もってのほか」でしょうねえ。

洗面所床下地完成
洗面所床下地完成

パーチクルボードを置き、こうなりました。正面が洗面、右奥がトイレになります。洗面とトイレの間にはこの後間仕切りと建具を取り付けます。洗面とトイレだけは床がツラでして、ここだけささやかにバリアフリーですが、まああまり意味はありませんね。

間仕切り壁はドアが入るであろう箇所だけまだ貼れません。先にドアを取り付けなければなりません。
以前、ホームセンターMで安物のドアを買いましたが、ここの部分は出来れば折り戸にしたいのでネットで探します。
意外に既製品の建具が安く手に入りそうですよ。ホームセンターMの安物など買うんじゃなかったかも、なんて思ったりしながら折り戸を色々と物色。

ここは鉄骨の柱の隙間を利用した窓というか開口。

鉄骨周りの細工
鉄骨周りの細工

コンパネで箱状の枠を作り、嵌め込みました。なかなかいい感じです。

ここに小物を置いたり、猫がくぐったりするのでしょうか。
現実には埃がたまるだけの箇所になりそうな予感もあります。
夕方職人が去り、1Fのひとり工事を少しやってから後片づけ、掃除をして病院、そして自宅に戻り引っ越し準備と仕上げ素材の選定などして1日が終わり倒れ込むように眠る日々です。
もはや気力ですらなく、何ものかに操られるように黙々とふわふわと毎日動いております。

ダイエット効果抜群。やつれるように痩せていきます。ダイエットがしたいなら、真夏にセルフリフォームと引っ越しをやるのが一番です。

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1F土間、左官床上げ

8月1日。

悪い知らせは義父の緊急な体調不良、そしてこの日に即刻入院、手術を3日に控えます。
慌てふためく私たちと家族。
義父には、水回り設備の購入において多大なる貢献を頂いております。つまり、義父の職業上のコネでもって、キッチンや風呂がべらぼうに安く買えたのです。

工事中に何度も足を運んで進行具合を見るのが楽しそうでした。
「おれが世話してやったんだぞ」という自負に満ちた父親らしい威厳を伴いながらも無邪気に工事状況を楽しむ姿を見るのは、過労と熱中症寸前の我々夫婦にとって安堵のひとときでありました。
これは心配なことになった。

妻にとってはすでにオーバーワークのレベルを超えた連日の時間的身体的過重活動に加えて、精神的過重深憂を抱えることになったのです。

はっきり言って、ふつうなら工事どころではない、引っ越し荷物どころではない、それどころか仕事どころではない、普通にしているどころではないという状況です。事態は切迫しています。
にもかかわらず工事は強制的に進展します。今は大工のまっすん達がいますが、もうしばらくすると職人が誰もいなくなります。
つまり私と妻のふたりだけで、残りの仕上げ工事、塗装、引っ越しまで完了しなくてはなりません。
ついに8月に突入してしまったのです。
ここはあたふたしている場合じゃありません。

さて8月の最初は、すでに打ち合わせ済みの左官屋さんの登場です。

ずっと話題にすらなっていない忘れ去られた1階の件です。

1階の全てが資材と廃材置き場で足の踏み場もありません。
左官屋さんが来るまでにひーひー言いながら資材や廃材を動かし、以前カウンターが付いていて床レベルが下がっている箇所の周辺を片づけます。

左官屋さんが大きな袋をいくつも持って登場、ガラを詰め込み、土を入れ、モルタルを流し込む準備を着々と進めます。

土間工事
土間工事

一段下がった床を上げる左官工事。ラスを置いてモルタルを流し入れ整えます。

下水マス蓋
下水マス蓋

下水マスの蓋もレベルに合わせて上げてもらいました。
蓋は綺麗にできましたが、じつはこれ、下水マス自体がかなり腐っています。このときはそこまで気が回っていません。それどころか、この後も一年間気が回っていなかったという・・
翌日の様子。

埋められた段差
埋められた段差

埋められた段差

綺麗に仕上がりました。こうしてしばらく養生します。

床さえ上がれば1階は出来たも同然。いや、まだ表側が全く手つかずでした。まだまだブルーシートがかかったままです。

記事にはなっていませんが、時間の隙間を見つけてはクッションフロアの糊の跡をがりがり擦ったりしています。

2階3階に比べて、1階はまだほとんど廃工場のような状態です。
さて、面会ができるぎりぎりの時間に何とか間に合わせ、汗まみれの汚い姿のまま病室へ向かいます。義父は絶食、安静中です。
改装が完了した状態を、元気な姿で見に来ていただきたいのです。

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